【ロケットマン】【RUN】息子と娘と毒親の物語
こんにちは。
本日は、「映画に見る毒親」です。息子編と娘編、ふたつご用意してみました。次回はまた、別の映画をご紹介しますね。
さて、子供の頃に抑圧された未解決な感情のことを「インナーチャイルド(インチャ)」と言います。
潜在意識に沈み込んだ怒りや悲しみが「インチャ」となるのですが、それがいればいるほど自分を愛せず子供を愛せず、人生が困難になってゆきます。
今回ご紹介する、2本の映画の母親には「インチャ満載のまま子育てをすると、こうなるよ」という共通点があります。ただ、映画でもありますし、実話をベースにしているとはいえ、通常よりはハードかなと思います。
父親の存在も大切ですけれど、人が育つにあたってのベースはやはり母子関係であり、子供にとって母親からの愛は必須です。不幸な育ち方をすることでわが子を愛せず、そのまたわが子にも受け継がれてしまう、「負のスパイラル」。
それはのちのち、他者に対して「粗末にされたから、粗末にする」「愛されなかったから、愛さない」「暴力をふるわれたから、暴力をふるう」というものとしてあらわれます。そんな「負のスパイラル」は、癒されていない心の傷があればこそ、その家に代々受け継がれ、繰り返されてしまうものです。
人は、他者に「されたこと」をしてしまうものですし、また「してもらったこと」しかできないものです。心の傷は、癒されていないからこそ未解決なまま。そして、だからこそインチャが騒ぐのです。
そんな、ふだんは意識することのない「インチャ」を、映画の中では、客観的に見ることができたりするんですね。小説だっていいんですけれど、映像のほうがわかりやすい方も多いと思います。
「その物語」に没入することでドキドキ、ハラハラしたり、時に涙ぐんだりすることで、人は、主人公や悪役に感情移入します。それこそが、その人のインナーチャイルドがざわついている証拠。
その子(インチャ)の数が多ければ多いほど、その人の人生に悪影響を及ぼします。他者の言動ですぐにキレたり恨んだり、病気になりやすくなったりして、人生がうまくいかなくなってゆくからです。
「抱えたインチャの数が、その人の不幸の数」と言っても過言ではありません。だから、大事なんですよ~、インチャ癒し。
では、まずはこちらから。
エルトン・ジョンの半生を描いた映画「ロケットマン」です(2019年)。父と息子、そして母と息子の愛憎がよくわかる作品です。
彼の両親は、息子をまったく愛しませんでした。「オマエが、オマエであるというだけでイケナイのだ」と、両親から、そんな無言のメッセージを受け続けてきた少年は、それでもけなげに、両親の愛を得ようとします。
しかし、世界中から愛される大スターとなっても、「どうしても手に入らないもの」があるのです。そんなエルトン・ジョンに共感する人もまた、多いのではないでしょうか。
エルトンを演じるのは「キングスマン」「キングスマン ゴールデンサークル」で主人公エグジーを演じた、タロン・エガートン。「キングスマン ゴールデンサークル」には、エルトン・ジョンも「本人役」で出演しています(吹き替え版がおススメ)。
「インナーチャイルド」というものについて、漠然とわかる作品です。これをとった監督はそのへん、意識したのかなと思います。ヒット曲も満載で、ファンならずとも楽しめますよ。
監督はデクスター・フレッチャー。2018年公開の映画、「ボヘミアン・ラプソディ」で製作総指揮を務めています。
ちなみにこちらも、フレディ・マーキュリーという大スターの生涯を描いた作品でしたね。そして、彼もまたエルトン同様に、親からの無償の愛を求めていました。
人もうらやむ生活をしているようでいて、セレブもやはり人の子です。親との関係に苦しむことも、珍しくはないということです。
やはり大人気だった「カーペンターズ」のボーカル、カレン・カーペンターもまた、母との関係で大変苦しみました。
さて、今度は母と娘の物語です。
母親によるわが子への虐待に、「代理ミュンヒハウゼン症候群」というものがあります。
「代理ミュンヒハウゼン症候群」とは、わが子を死に至らしめる、特殊かつ複雑な虐待の一種です。
わが子を看病するために、母親がわざと病気にするのです。しかし傍目にはそれとわからず、むしろ周囲からは、虐待を行なっている本人自体が「献身的な母親」と思われているので、すぐには発覚しづらいのが特徴です。
そのテーマを扱った映画やドラマがいくつかありますが、今回ご紹介するのはこちら。2020年公開の映画「RUN」です。
もうね、手に汗握る展開です。以下、あらすじとややネタバレです。
病院で出産した際、不幸にも自身の子を死産してしまった女性・ダイアン。彼女はその事実を受け入れられず錯乱し、すぐに産科で他人の新生児(女児)を誘拐して逃走します。盗んだ子供をクロエと名づけ、ダイアンはシングルマザーとして娘を、郊外で育てます。
クロエは「生まれつき身体が不自由」であることから、車椅子生活を余儀なくされていますが、通信制の高校では成績優秀であり、自立も兼ねて大学への進学を目指しています。
今時の高校生でありながら、そして足が不自由であるにも関わらず、母から連絡用のスマホも与えてもらえず、ネットさえ自由に使えないクロエ。彼女はそんな環境を不満に思いながらも、この段階ではまだ、母の愛情をを疑うことはありませんでした。
しかしある日、ダイアンが「新しい薬」と称して差し出した緑色のカプセルがきっかけで、クロエは独自に調査を開始します。そこから、平穏だった彼女の人生は激変します。
母への「疑惑」が「確信」に変ったとき、生き延びるため、車椅子で必死に逃げ出そうとする娘。それを阻もうとする母。「代理ミュンヒハウゼン症候群」の母親とその娘との、悲しくもオソロシイ物語です。
映画「RUN」には、ベースとなったと思われる実話があります。米国で2015年に起きた「ディー・ディー・ブランチャード殺害事件」です。
ディー・ディー・ブランチャードとは、娘に対してまさに「代理ミュンヒハウゼン症候群」を行い続け、のちに被害者となった母親の名前です。
そんな母に虐待され続け、自立のために母を殺害する決意をした悲劇の娘の名は、ジプシー・ローズ(本名です)。
彼女はのちに、こう語っていたそうです。【母と暮らすよりも、刑務所の中の方が自由に感じる。なぜなら今、私は普通の女性のように生きることを許されているからだ。】
母・ディーディーによる娘への支配や抑圧がいかに壮絶なものだったかが、よくわかる言葉です。これは極端なケースですが、しかし毒親というものは、子供の尊厳を踏みにじり、自立を阻み、人生を破壊することさえあるのです。
「そんな親なら、すぐに家を出ればよかったじゃないか」という言葉は、毒親の異常さを知らないからこそ、言えるものだと思います。本来、悪いのは、子供の方ではないのですから。
むしろそんな毒親に対して、「そんなに嫌いなら、子供に『出ていけ』と言えばよかったじゃないか」という言葉の方が、妥当です。とはいえ、いくらなんだって、小学生くらいの子にそう言うのは虐待です。
しかし、ある程度の年齢になったわが子を、相も変わらず非常にうとましく思うのなら、親として「もう、オマエにまとまった金をやるから、出ていけ」くらい言ってもいいと思います。
なぜか毒親というものはわが子を憎み、嫌い、その存在を否定しながらもなぜか決して手放さず、子供が成長しても自立を許さないのです。それは、子供をいじめることが、単純に楽しいからです(親はそれを自覚していません)。
これも結局のところ、家庭内において「出てゆきたいのに、出てゆけない子供」と、「手放せばいいのに、手放さない毒親」との「共依存」によって、視野が狭くなってしまうことが問題です。
だからこそ、家庭内での事件・トラブルというものが毎年、後を絶たないのだと思います。
「うちの親、ちょっと・・・」と思った時や「うちの子、ちょっと・・」と思った時、一人で抱え込まずに誰かに相談してみることをおすすめします。
「不幸や病気の大元はインナーチャイルドが騒ぐことが原因」と言っても、過言ではありません。しかし、そんなインナーチャイルド(インチャ)は、癒してゆくことでだんだんと、騒がなくなってゆきます。
自尊心を取り戻すことで、自分の人生をうまくやってゆくことができるようになるのです。家庭内の問題、まずはお母さん(奥さん)を癒すことからはじまります♪
インチャを癒して、複雑な人生をシンプルにしてゆきましょう。インチャセラピーは【対面/オンライン】で承っています。
年始年末の予定:12月28日(土)~1月5日(日)までお休みです(この期間はお客さまからのメールの返信もお休みさせていただきます。ご了承くださいませ)。
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